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WORK REPORT


  
北野武さんガリレオ2000賞受賞式密着 in フィレンツェ 〜3日目授賞式本編

授賞式の行われるステージ上から見た会場は
こんな感じです。

 
この写真の左後方に2階へ続く階段があります。
2階は晩餐会の準備が進められているというので
上ってみたものの、なかなか到着しない。
そう、ここは古い宮殿。
2階といっても日本の建物の4階くらいの高さでした。 

 真ん中の格調高い赤い席にはデンマークのロイヤルが。武さんが「会場にさ、グッピーみたいな顔の人がいてびっくりしたよね」とおっしゃってたんですが、メガネをかけたその後婦人は最前列右から4つ目の席。武さんの席は最前列左、写真では灰色のスーツを着た背を向けた男性の前でした。 

席の上には受賞者の名前が書かれた紙がおいてありました。名前の上のマークはガリレオ2000賞のシンボルです。 

受賞直前、この椅子に座っていた武さんは、さすがに緊張の面持ち。 

そんなご本人をよそに、世界の北野に握手を求めるセレブが後を絶たず、当の武さんはきょろきょろと周りを見回してお辞儀をするものの如才ない感じでした。 

2階からステージを見渡すとこんな景色。
後ろに広大な庭が広がっていました。 
2階は美術館になっており、授賞式のあと
武さんも事務所の方たちと回られました。 

 受賞後のインタビューで、「いやぁあれはびっくりしたね。それも教科書で見たことあるようなやつばっかなんだもん。あの建物の中、何千億(の絵)だよ。いやぁ、スゴイ・・・」武さんがこんなに感心している姿は見たことないくらい驚いていました。 

こちらは晩餐会の会場。館内を見て回った後、
受賞者だけが楽しむ晩餐会がありました。
中央のテーブル右列手前から3つ目に武さんの席が。 

さぞかし豪華なお料理が・・・と思いきや、

武さん「途中でお腹痛いって言って帰ってきちゃった。でも帰るって言って席を立つ直前に海老が出てきて、あ、食いたいって思ったんだけど、引き返すのもなんだから帰ってきちゃった。」

そう、前日の夜到着してそのまま受賞者がみな出席した晩餐会に行って、この日の昼も、過去のガリレオ2000賞受賞者でフランスの元文化相主催のランチに行っていた武さん。あまりのハードスケジュールに、始まって間もなく出てこられたのでした。でもその後私たちの単独インタビューに答えてくださったんですよね・・・。とても申し訳ない気持ちになりながら祝福インタビューをしました。 

Q 入り口でインタビューした時困っちゃったと言っていたのは? 

「だって吹奏楽の演奏が流れてさ、格式高くて、なんだかよくわからなくて困っちゃったんだよね。 
ちなみに入り口はこんな感じでセレブが到着しました。右奥に座っている人たちがバンドです。 

Q 授賞式の際、ステージの左側にスタンバイして「 TAKESHI KITANO 」と名前を呼ばれる時はどんな心境?

「コメディアンって紹介もあったことだし、段に上る階段でコケてやろうかなと思ったりもしたんだけど、さすがにそんな勇気なかったね。総主教やデンマーク王妃の前でそれができたらおれも芸人としてあと20年は生きられたんだけど」 

その後短いスピーチを求められた武さん。その内容は、 

「 芸術が出来るという環境は、すなわち・・・あの、平和だということなので、我々は何が運が良いかというと、食べることに、あの、命をかけて毎日を過ごすことがなく、芸術に、人生をかけられる状況が、非常に素晴らしいと思います」 

ちょっとたどたどしい感じのスピーチだったんですが、それが返って心を打ち、私自身もかなり感動しましたし、あの時沸いた拍手は観客の心が動いたような響きでした。 

Q スピーチは前から考えていたのですか? 

「考えていたんだけど、全然違う質問が来ちゃったから違うこと言ったんだ・・・ 本当に飢えた人の前で、おにぎりかお笑いかったらおにぎりに決まってるんで。差し迫った人の前で、芸術ってのは、大した力にはなんないと思うよねぇ。我々の商売は、ありがたいことに飢えというものがない基盤の上で、映画撮ったり芝居をしたり歌を唄ったりしてるわけで。だから、そういう職業につけたことは、すごい、感謝しなきゃいけないことであってね。まぁありがたいことですよ」 

Q 受賞して気持ちの変化は? 

「これからはちゃんとお笑いの番組もやれるなぁっていう。お笑いってのはオチだから。こういうハクがつくと、出てってズボンがやぶけてりゃみんな笑うだろうということ。うん。ま、オチがつくってのは、落差がつけばいいわけで。」 

Q 総括すると? 

「ヨーロッパの人しか表彰しないとか、そういうことはないんだぁ、っていう。ちゃんとした仕事をやればそれなりに認めてくれるというのに気がついた。」これまでは自分のことをひいきしてくれているだけだと思っていたそうです。そしてしきりに感心する武さん。 

「ちょっと驚いたね、だけど。うん、オレ、ベネチア映画祭やなんかで、ああいうのあったけど、ちょっと規模が違うっていうか、なんかスケール …… じゃなくてなんだろ、質感が違うのかな。蓄積された、そのヨーロッパの財産みたいな、そのもの受け継いだ、セレブの人たちみたいな感じして、驚いたね。」 

そんな武さんを取材して、武さんもそのスケールの違うセレブの一員だなと感じた私でした。 

疲れていても取材に丁寧に応じていた武さんでした。 

見せていただいた時
「中をこけしにすり替えときゃよかったなぁ。
でもまた怒られるからやめとこう」と言いながら
見せてくださったトロフィー。ガリレオ2000賞の
シンボルを象ったもので武さんの名前入り。
もちろん世界にひとつしかありません。
 

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